もともと数字を扱うことが好きだったため、大学在学中に簿記やファイナンシャルプランナーの資格を取得していた。資格を生かせる経理職を志望したが新卒での募集は少なく、大手システム会社にシステムエンジニアとして入社した。配属直前に会社の方針が変わり、希望していた経理部門で社会人としてのスタートを切ることができた。50人ほどのメンバーが所属する組織で費用計上、精算業務などを担当した。3年ほど経験を積んだ後、より幅広く仕事ができる環境を求めて映像、ゲーム、ウェブ、広告の制作などを手掛けるベンチャー企業に転職した。組織規模だけでなくカルチャーも全く異なることに加え、一人ひとりに期待されるミッションや業務範囲も格段に広がった。入社直後から柔軟性や対応力、思考力が求められ、苦労したことも多かったが振り返ると大きな成長につながったと感じている。
事業領域が広く、同種の業務でも異なる会計処理が必要になることに加え、新規事業に関する会計処理を検討する機会にも恵まれた。既存の手順がない中、適切な処理方法を構築する過程では新たな知識と思考力を身につけられた。そのほか、子会社の経理も担当するなど、経理・会計業務の知識、スキルを高める経験を積むことができた。
転職によって求めていた経験が積めたと感じる一方、身につけたスキルをさらに大規模な環境で生かしたいと考えるようになった。その時に出会ったのが日本総研だった。SMBCグループのシステム開発で中核的な役割を担う日本総研では、会計処理の業務の拡大、多様化を進めていた。既存の仕組みや手順にこだわらず、変化に対応しながら会社の成長を支える人材を求めていることを面接の場で聞き、「前職で培った経験が生かせる環境だ」と思い、入社を決意した。
現在はITソリューション部門におけるシステム開発案件の会計処理対応や海外支社、事業報告書作成などを担当している。システム開発案件の会計処理では、案件が立ち上がった段階から相談を受け、伴走しながら会計処理を検討、構築している。1社目のシステム会社に入社する前に身につけていたシステム開発の基礎知識と、前職でさまざまな会計処理を構築した経験を存分に生かして、新たなスキームを構築するプロセスに面白さ、やりがいを感じている。
日本総研は金融グループの一員でもあるため、少し堅い企業のイメージを想像していたが入社後にその印象は大きく変わった。情報管理などのルールは徹底されているが、フリーアドレスや在宅勤務が浸透しており、社員のチャレンジも後押ししているなど想像以上に自由度が高い環境だった。役職、年次などにこだわらず、良い意見は取り入れていこうとする雰囲気があることも印象的だった。
シンクタンク、コンサルティング、ITソリューションといった多様な領域で事業を展開しているため、全部署に関わるコーポレート部門は多様な人とコミュニケーションを取る必要がある。そのため、自律的な行動が求められるが、一人で業務を抱えるようなことはなく協力して業務にあたるカルチャーが醸成されている。メンバーそれぞれが専門分野を持ち、前例にとらわれず自由に意見を交わせるなど、専門性を高めつつ安心して仕事を進められる環境だと感じている。私もさらに知識を深め、将来的にはグループの連結決算業務などにもチャレンジしたいと考えている。
会計にはルールに対して複数の解釈が可能な場合がある。相談があった際に、どのような会計処理が可能かメンバーで意見を出し合い、最適なスキームを構築・提案するようにしている。このようなコーポレート部門の対応力を高めていくことは日本総研の強みにもつながるだろう。私もさまざまな相談に応じる中、事業活動に貢献できていると実感できており、その瞬間は大きなモチベーションになっている。
新たな仲間として加わっていただく方には、担当領域にこだわらず、業務全体を俯瞰(ふかん)して仕事に取り組んでいくことを勧めたい。周囲のメンバーや業務で関わる社員の立場に立って考え、より効率的な仕組み作りなどにもつなげられるからだ。私もさまざまな事業と関わりながら経験を重ね、経理業務全体をけん引する立場としてより良い仕組みを構築し、部署全体の対応力を高めていきたいと考えている。