新卒で認可法人の本社に事務系総合職として入社し、会計部門に配属された。長くても3年ほどでローテーションする慣例になっており、総務業務を経験後、入社5年目で同法人支部の人事に異動した。50名ほどの組織で給与計算や社会保険、研修企画など幅広い業務を担当した。
驚いたのは、フィジカルやメンタル不調により休まざるを得ない社員が想像以上に存在していることだった。そして、その社員が職場復帰を果たし、無理なく働き続けてもらうために組織としてサポートする仕組みがあり、その前提には法律や会社の制度がある。人事の仕事は採用や人材育成などがイメージしやすく、異動する前から漠然と興味は持っていた。
実際に業務に携わる中で、社員の健康管理・サポートも人事の重要な役割だと知り、多彩な業務を担う人事の仕事にますます魅力を感じた。
転職に踏み切るきっかけになったのは、入社6年目の人事異動だった。各業務の知識は少しずつ身についていくものの、それを深める前に異動してしまうローテーションにもどかしさを感じていた。これからのキャリアを考える中で軸になるものを持ちたいと思い、最もやりがい、面白さを感じた人事領域の経験を積める環境に移ることを決意した。転職活動を始めた時期は労働基準法が改定されたタイミングで、働き方改革に対応する制度変更など人事ポジションの募集は多かったようだ。とはいえ、コーポレート部門のキャリア採用は経験重視の傾向が強く、1年ほどの人事経験しかない私が採用されるか不安を感じていた。
日本総研の面接は人事の経験より、前職での経歴や学生時代のことを多く聞かれたのを記憶している。経験は浅くとも、若いうちからしっかり人事業務を経験し、将来の人事部門を担える人材を求めていたのだと感じた。私にとっては願ってもない環境であり、日本総研で人事の仕事を追求していこうと決意した。
現在は人事異動や健康管理に関する業務を主に担当している。採用や育成などイメージがしやすい仕事とは異なり、ルールにのっとって適正に手続きを行い、社員一人ひとりのキャリアを支える裏方の仕事と言える。日本総研はシンクタンク、コンサルティング、ITソリューションの事業を行っているが、それぞれのフィールドで職種や働き方も異なる。人事はルールにのっとり、社員の健康を守りながら会社の利益や成長、社員の自己実現につなげる環境を整える役割を担っている。
ワークスタイルの多様化など社会の変化を把握しながら、社員にいきいきと働いてもらうことが私たちのミッションだ。日本総研の事業に合った制度や働き方を模索するためには幅広い知識が必要であり、学び続けることが求められる。経営層や関係者との対話を重ね、合意形成に至った時など成長を実感できる瞬間も多く、人事という仕事でさらにキャリアを積んでいきたいと感じている。
日本総研の魅力の一つは、社員のチャレンジを積極的に後押しする風土だと思う。新卒、キャリア入社を問わず、専門性を高めたい、新たな分野に挑戦したいという意欲を受け止め、本人と上司が長期的な視点でキャリアを考え、周囲がその成長をサポートするカルチャーが根付いている。私も健康管理や労務関連の法規制など、常に知識をアップデートすることに加え、会社全体の働きがい、働きやすさの向上に貢献したいと考えている。また、入社5年目を迎えた頃からSMBCグループ社員を対象としたセミナーの企画運営業務も担当しており、数千人規模のセミナーを企画する機会にも恵まれた。SMBCグループ全体の視点を養うとともに、グループ各社の人事担当者との人脈形成にもつながっているため、日本総研の人事業務にも還元できると考えている。
私たちのチームでは各自が専門性を持ち、お互いをサポートし合うことも大事にしている。新たに加わる方も、これまでに培われた知識、経験を存分に発揮していただける環境だ。社員が働く環境を支えるやりがいを共有しながら、一緒にさまざまなことに挑戦していきたい。