電気自動車(EV)の普及には、製造時のCO2削減や希少資源確保の観点も含め、車載電池の循環利用が欠かせません。ユーザーが中古EVやリユース電池を安心して賢く利用(スマートユース)できるよう、残存価値を明確にする電池診断やリユースサービスのプラットフォームづくりを進めています。
カーボンサイクル(炭素循環)のひずみを正すためには、化石燃料ではなく、バイオマスや発電所・工場などから排出されるCO2を利用する産業プロセスが必要です。京都大学・京大オリジナル株式会社とともに産官学のコンソーシアムを立ち上げ、関連技術の実装を見据えた検討や実証を行っています。
長寿化や人口減少に伴い、これまで親族や近隣住民が担い手だった高齢期に必要な支援(意思決定や金銭管理など)をさまざまな他者が分担して行える仕組みが必要です。身近に手助けをする親族がいなくても、高齢者が自律的に暮らせる地域体制づくりを目指し、研究会や調査研究活動を通じて構想の具体化や地域での実証を進めています。
パーパスで掲げた「ありたい未来」の具体的な姿として「自律協生社会」(主体的・自律的に生きる個人が自由を享受しつつ、他者や自然、テクノロジーと力を合わせる中で創出される生き生きとした社会)を提唱し、その実現に向けて武蔵野美術大学と共同研究を行っています。同大学キャンパス内に設けた「自律協生スタジオ」は、多様な人が新たな知と実践を生み出す共創の場になっています。