1秒を0.5秒にできた時の快感。
ものづくりの楽しさをゼロから覚えた。
入社早々、私は高性能コンピューターを使って、クレジットカードの与信システムや当時の最先端技術を駆使した不正検知システムなどの構築プロジェクトに携わった。試行錯誤しながら当時最速の処理を可能にするシステムを完成させたが、さらにその速度を縮めようとするチャレンジをした。クレジットカードはカードを読み込んだその場で、瞬時に処理が完結しなければサービスとして機能しない。スピードが勝負なのだ。コンピューターの処理速度に真っ向から挑んだ仕事は、今でも忘れられない刺激になった。
交通系ICカード「PiTaPa」プロジェクトの
プロジェクトマネジャーを務める。
入社7年目、新たな交通系ICカード事業の立ち上げのため、クレジットカードシステムに精通する社員の中から精鋭が選抜され、100人を超えるビッグプロジェクトがスタートした。私はプロジェクトマネジャーとして大部隊の采配を振るった。ポストペイ(後払い)形式という関西ならではのサービスも脚光を浴び、また、利用回数に応じて料金の割引を行うなど、カードビジネスにおける新しい付加価値も提供することができた。プレッシャーはあったが、それ以上に自分の采配で仕事を進められる喜びが大きかった。
その後もコールセンターやPiTaPaなど、様々なプロジェクトを統括。これまでと比較にならないほどメンバーに対する責任が生じ、ヒト・モノ・カネのすべての権限を委譲された。権限を与えられるということは、同時に大きな責任も伴う。いかにメンバーのやる気を引き出し、成果に結び付けるか。技術面のスキルでやってきたこれまでとは異なり、ヒューマンスキルが問われてくる。メンバーの一人ひとりとコミュニケーションを密にし、指示を与える際にも背景や目的、ゴールを明確にすることの重要性を身に染みて感じるようになった。
ITインフラ戦略を軸に、
新たな決済ビジネスの展開を企画。
入社15年を過ぎた今、私はクレジットカード事業におけるITインフラ戦略企画に携わっている。ITの側面から決済ビジネスを発展させていくことが私のミッションだ。クレジットカードは人々の生活に密着しており、利用頻度、利用シーンが多く、ビジネスの幅という意味ではまだまだ可能性に富んでいる。デジタル社会における有力な決済手段でもあり、ネットビジネスや流通業など他業界との競争も激化している。その中でどのような価値創造を成し得ていくか、グループが一体となってシナリオを描いている。
ITはあくまでもツール。ビジネスにどう活用し、何を実現させるかが大切だ。近年のITの革新やグローバリゼーションの進展によって決済ビジネスには新たなプレイヤーが登場し、新しいサービスも増え続けている。これからの決済ビジネスは新しい技術を取り込み、社会の変化を読み取り、ビジネスを創出するものが勝者になる。厳しい競争環境の中で、新たな価値の創造に向けて、我々日本総研がグループ内で果たす役割はさらに大きくなっていくだろう。