学生の時に抱いた問題意識。
それを解く方法がここにあったから。
インキュベーション部門
  • 中堅
  • 女性
  • 理系
A.Nanasawa
所属 : 創発戦略センター 入社 : 2011年

どうすれば、環境配慮の行動を
経済的価値に結びつけられるのか。

学部時代、環境問題に関心を持っていた私は富士山清掃の学生ボランティアサークルに所属し、会計担当として一般客参加型の清掃イベントの運営に力を注いでいました。その清掃ボランティアは着々と活動実績を積み上げつつあった団体だったのですが、私が在籍していた時に不測の事態が起こりました。これまで活動を支援してくれていた企業の担当者が異動となったことを契機に、スポンサー契約を解除されてしまいました。これにより、イベント運営費や富士山の汚染状況の定期調査、定期清掃といった日頃の活動費を捻出する必要が出てきました。会計を担当していた私は、この活動費を生み出す仕組みづくりを担うこととなりました。
具体的には、廃棄物を削減する活動を行う団体として、フリーマーケットへの参加を企画し、自分達の活動費の捻出に努めました。持続可能な活動であったものの、集まるお金は大した額にはなりませんでしたが大学の協力もあり、新たなスポンサーを得られることに。某大手通信企業のCSR活動として位置付けられることにより、その年の私たちの富士山清掃をなんとか続けられました。このサークル活動を通じて、環境配慮活動と、持続的に経済的価値を生み出す仕組みを結びつけていくことはできないだろうか、大手企業のレバレッジを生かしながら大きな経済的価値を生み出すことはできないだろうか。私はそんな問題意識を強く抱くようになりました。
大学では経営工学を専攻していましたが、大学院では「モノづくり」の観点からこの問題に取り組んでみたいと、環境配慮型製品の設計方法について研究していました。社会に出てからもぜひこのテーマを究めてみたいと、そんな志をもって私は就職活動に臨むことにしました。

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やるからには、「仕組み」そのものを
創り出せる場に身を置きたい。

大学院では環境配慮型製品の研究に携わったものの、私としては「製品」に閉じてしまうのではなく、もっと大きなスケールで持続的な、環境配慮活動を経済的価値に結び付ける「仕組み」を生み出したい、という思いがありました。日本総研は環境分野、特にスマートシティ開発に強いシンクタンクだという評判を耳にし、興味を持ってインターンシップに参加しました。インターンシップでは「再生可能エネルギーの事業戦略検討」という課題に取り組みましたが、そこでの経験が私に大きなインパクトを与えてくれました。
社会の変化を常に敏感に察知でき、中立的な立場から将来の見通しを自分の信念をもって創り上げることができる。それをもって人を説得し、実行に移していく。そんなコンサルタントの仕事の難しさと面白さにとても魅せられました。指導を担当してくれたコンサルタントとのコミュニケーションを通じて、自由闊達な雰囲気であることも自分にとっては魅力でした。
実は、環境に配慮するアクションに対し経済的価値をつける仕事として、「金融」の世界も考えていたのですが、金融業はファイナンスという手法に限定されてしまい、「お金」を通じてしか関与できないのではと思いました。一方、日本総研なら、自らのコンサルティングを通じて、その「仕組み」そのものを創り上げていくことができる。身を置くならやはり日本総研だと思い、入社を決意しました。

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若くしてここまで経験できるファームは
きっと他にはない。自分のビジョン実現に手応え。

入社後、自らが望む仕事に取り組む機会を手に入れるには、それにふさわしい人材だと周囲から認められなければならないと考えていました。2年間は、与えられたプロジェクトに対して、自分の責任を誠実に果たすことが重要と思い仕事に取り組んでいました。環境に関わるプロジェクトではありませんでしたが、手掛けるテーマはどれも刺激的なものばかりでした。例えば、ある製薬会社の中国での新規事業開発プロジェクト。上司と二人でお客様のもとに足繁く通い、それまで中国には存在しなかったビジネスモデルを構築すべく、提案書を書いては先方の経営層にぶつけていきました。たとえ入社したばかりの人間でも、企業のトップと直に対話して経営戦略についての議論に参加できるのは、やはりこの仕事ならではの醍醐味だと思います。
そして成果を積み重ねていけば、チャンスを与えてくれます。私は入社3年目に「タイでのサイエンスシティの開発事業に参加してみないか?」上司から突然そう告げられました。タイにおける、ASEAN初となる民間主導の環境配慮型大規模都市開発プロジェクトです。企業のR&D拠点が集積する都市となり、ASEANでの事業拡大を図ろうとする日本企業も誘致するという一大プロジェクトです。その計画策定を日本総研が担うことになり、私も参加できることになりました。「遂にチャンスがきた」と心が沸きました。
それから現在に至るまで、私は月に一度のペースでタイに出張し、この事業に参画している現地企業との討議を重ねています。タイでは前例のないプロジェクトだけに、議論の場で現地企業側から意見が出てこないことも度々あります。我々がディレクションしていかなければなりませんが、その方向性を決める際にも、自分の考えをどんどん提案できる仕事です。最近では、このサイエンスシティの計画策定を日本総研が担っていることをタイ政府が聞きつけ、「タイ国内で環境汚染対策のモデルを創りたいのでマスタープランを策定してほしい」というオファーが寄せられ、その案件も私が担当することになりました。こうした経験の延長線上に、きっと「環境配慮と経済的価値の両立」の解が見えてくると感じています。入社時に自分が描いたビジョンが、少しずつ形になっている手応えを感じています。