ピンチで痛感した、
人と人のつながりの大切さ。
ITソリューション
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H.Takeda
所属 : ITソリューション 研究科/学部 : 外国語学部
趣味 : マラソン(ホノルルマラソン2回、東京マラソン1回完走)、パワーヨガ
日本総研でのキャリア : 入社~入社5年目まで市場システム開発を担当。その後、三井住友銀行に出向し、シンガポール支店で勤務。
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社会に直接的な影響を及ぼす
そんな重要な仕事を任される存在になる。

私は新人の頃から、上司にチャンスを与えてもらってきた。嬉しい反面、金融知識もシステムの知識も中途半端な自分には、いつも先輩に助けてもらうという消化不良の毎日を過ごしてきた。自分の存在価値を示すために、金融工学の勉強会を主宰し、担当する業務の背景や基礎知識などを徹底的に学んだ。また、打ち合わせへの先輩の同行を断り、何が何でも自分がレスポンスを返さないと物事が進まない状況に自分を追い込んだりもした。「この人ならどんな仕事も責任持ってやり遂げてくれる」という周囲からの信頼を勝ち取るために。
リーマンショックが世界を震撼させた2008年の秋。当時入社2年目の私は、リーマンショックの影響による為替取引増大の危機を回避するための改善プロジェクトにアサインされた。世界経済の大きな潮流と完全に同期しているこの仕事の責任の大きさ、醍醐味を存分に味わうこととなった。責任の大きな仕事を通して、世の中に影響を与えられる人になる。その大いなる目標の第一歩を歩み出した瞬間だった。

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「君がそう言うならやるしかない」
どん底で手にした最高の贈り物。

入社3年目、為替ディーリングシステムに関わるチームのリーダーを任された。「彼女一人で大丈夫か?」そんな周囲の雰囲気をかき消そうと、手を尽くしてプロジェクトを前に進めていった。しかしようやくカットオ-バーまであと2カ月というところまでこぎ着けた時に、緊急事態が発生。システムに不具合が見つかったのだ。複数のパートナー会社で開発を分担して進めており、互いのコミュニケーションに微妙なズレが生じたこと。新機能を導入したこと。原因は複雑な要因が絡まっていた。上司に状況を報告したところ、「君の判断で、やれるところまでやってみな」。この一言で私の覚悟は決まった。何か問題が発生したら、その状況を主導して解決に導くのがプロ。私はプロジェクト全体の先導役を自ら志願し、組織を横断的に調整する役割を担って事態の収拾にあたることになった。「なんとかしてこういう手順で挽回したいんです。お願いします」。私は、パートナーのSEの方々に頭を下げて回った。「わかった。君がそう言うなら、やるしかないでしょ」と全員が手を差し伸べてくれたのだ。その言葉が、涙が出るほど嬉しかった。それは、自分が今まで地道に培ってきた努力が形になるのを体感した瞬間だったからだ。

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満を持してシンガポールへ
真価が試される時が来た。

入社5年目より、私はシンガポールに赴任することになった。海外勤務は、私の入社以来の目標であり、ずっと上司に赴任の希望を出してきた。しかし、上司の反応はいつも同じ。「海外で何がやりたいのか。君なりの明確なビジョンはあるのか」。当時の私は、それを明確に答えることができなかった。
為替ディーリングのプロジェクトを無事完遂してしばらく経ったある日。私は上司に呼ばれて突然、シンガポール行きを告げられた。「今の君には、海外で何をしたら良いのか、誰に言われるまでもなく分かっているだろう。君の『想い』を思いっきりぶつけてきなさい」。アジアは、今グループとして最も注力する戦略マーケットだ。グループのIT戦略をさらに強化するため、私がこれまで培ってきた金融システム構築のノウハウを存分に提供する。それが、私の役割だと心得ている。赴任先では、シンガポールをベースに香港、台湾、タイ、ベトナム、シドニーなど、グループ各社のアジア・豪州の各拠点を飛び回っている。本当の私の挑戦は、今ようやく始まったばかりだ。