新たな挑戦を求めて。海外トレーニーに。
幼い頃に過ごしたロンドンへ旅立った。
私が海外トレーニーに応募したのは、入社6年目のこと。それまでクレジットカードや銀行のウェブシステムに携わっており、プロジェクトをマネジメントしていく自信がついてきた時期だった。ちょうどその頃、日本総研のロンドンの海外現地法人で、ウェブシステムに関われるトレーニーの募集があり、これは絶好の機会だと手を挙げたのだ。ロンドンは私が幼い頃にしばらく家族で住んだことがあり、馴染みのある街だった。また、金融サービスにおいて、いち早くリアルタイム決済を導入し、高い利便性を実現しているイギリス金融業界の中心でもある。当時の私は、最先端の金融ビジネスに触れたい、何か新しいことに挑戦してさらに自分を成長させたい、そしてそのためにロンドンで新しいキャリアをスタートさせたいと強く思っていた。
自ら、成長する機会をつくっていく。
シビアな環境の中、手探りで学ぶ毎日。
ロンドンに赴任後は、欧米の銀行拠点内でのユーザー権限を管理するシステムを開発するプロジェクトに参加。現在はニューヨークとロンドンの拠点にいるユーザーや、実際に開発を担当する現地スタッフと現状の課題を確認しながら、具体的な仕様を調整し、リリースまでのスケジュール管理を行っている。プロジェクトを推進する中で、最初は、日本とは仕事の進め方がまったく違うことに戸惑った。ロンドンでは個々の担当領域が明確で、担当が割り振られた後、それ以上何か指示されることはない。自分のペースで仕事が進められるので一見すると仕事はやりやすそうに思えるが、それ以上のことは一切要求されないため、意識していなければ自分がさらに成長する機会を失うリスクもある。自分で課題を発見し、周りに働きかけて改善や解決を図っていかなければ、評価されることもない。そういう意味では非常にシビアな環境である。自分で自分を成長させるという意識を持ち続け、日々の仕事につなげていくことの大切さを、ロンドンに来て改めて実感しているところだ。
将来、グローバルなプロジェクトを担うために
必要な資質を、いま身につけている。
ロンドンでは日々、新たな発見の連続だ。たとえば、欧米の銀行拠点では日本のようにゼロから独自の基幹系システムを作り上げるのではなく、開発スピードやシステムの柔軟性を重視し、外部のベンダーが提供する銀行業務のパッケージソフトをカスタマイズして導入するのが一般的だ。また、プロジェクトで協業するメンバーの価値観も日本人のものとは異なる。開発工程を臨機応変に変更することも厭わない彼らの姿勢からは学ぶことも多い一方で、日本流のスタイルのほうが結果的に合理的な場合もあると感じるシーンもある。私自身、仕事を進めるうちに疑問に感じたことはどんどん現地スタッフに尋ね、積極的に意見を出すように心がけている。プロジェクトメンバーと議論を重ね、お互いの理解を深めていけるように働きかけていけば、メンバーのアウトプットの質も高まって、より大きな達成感が得られ、自分自身の成長も実感できると考えている。
欧米流の開発スタイルを肌で理解し、日本とは大きな違いがあることをきちんと認識しておくことは、日本総研全体でグローバルなプロジェクトを進めていく上でとても重要だ。ここロンドンでのトレーニーで得た経験をもとに、ゆくゆくは世界規模で新規システムを開発していくプロジェクトに最上流から関わり、そのなかで日本と欧米の橋渡し役となって全体をリードしていくことができる、そんな人材を目指していきたい。