「Olive」のアプリ開発とはどのようなものだったのでしょうか。
Takeuchi
SMBCグループが展開する個人向け総合金融サービス「Olive」のコアとなるSMBCアプリの開発を、私たちのチームでも担当しました。「Olive」にはさまざまな機能がありますが、私たちが携わったのは主にアプリ内の「フレキシブルペイ」機能の部分と「Vポイント」の部分、それから住所変更など銀行とカードの手続きを一括でできる「一括諸届」の部分です。キャッシュカードとクレジットカード、ポイント払いなどの支払い方法をアプリ上で切り替えられる「フレキシブルペイ」は「Olive」で最も特徴的な機能です。
Okamoto
本当に大きな案件で、インターネットバンキングのSMBCダイレクトやクレジットカードのVpassなどさまざまなシステムが連携するため、「Olive」の開発には他のシステムの所管部署や外部ベンダーも関わりました。また、ローンチの日は既に公表されていたので、限られた時間の中で本案件を推進していく難しさもありました。日本総研はSMBCグループ各社のシステム開発を長年手がけてきましたので金融の業務知識や既存システムの知見は十分にありましたが、ここまで大規模なスマホアプリの開発に内製チームとして参画するのは初めてのことでした。
Takeuchi
SMBCグループのリテール戦略を担う案件でしたので失敗は許されません。仕様が決まって私たちの開発が始まったのが2022年初め、ローンチが2023年3月というタイトなスケジュールで、最初は本当にできるのかと思いました。本案件を進める上でチームの規模も大きくなり、メンバーの中には大規模開発やアジャイル開発が初めてという人もいて、私はチームのリーダーという立場から開発と人材育成を同時に進めることが求められていました。
Hama
私は日本総研に中途入社する前にゲームアプリを開発していましたが、SMBCアプリは要件もデザインも厳格で規模も桁違いです。外部のいくつものシステムとの連携など初めて経験することばかりでした。
Yamada
私は内製開発の経験を積みたくて、2023年に社内公募でチームに異動してきました。アジャイル開発の経験がまったくなかったので最初は戸惑いましたが、Oliveでは先輩方の指導の下で案件管理を行い、Oliveローンチ後のVポイントとTポイントの統合案件では立ち上げから設計、開発、テスト、移行、リリースまで一気通貫で経験させてもらいました。
Uehara
私は大学が文系だったのですが、プログラミングができる人材になりたくて研修が充実している日本総研に入社しました。入社1年目にアジャイルの基礎を学んだものの、当初は理論が頭に入らずに苦労したことを覚えています。それでも三井住友銀行のアプリ開発やアプリサーバーの案件などを通じて経験を重ね、「Olive」開発という社会的な影響力の大きなプロジェクトにも参画できるようになりました。
Takeuchi
アプリ開発やアジャイル開発の経験レベルはさまざまでしたが、これまで世の中になかったアプリを作るという明確なゴールがあったから、チームが一丸となって力を発揮できたと思います。
Okamoto
インターネットバンキングだと、スマホアプリが使えない時もSMBCダイレクトのウェブサイトから手続きができますが、「Olive」は基本的にスマホアプリを想定したサービスで「フレキシブルペイ」の機能もアプリにしかない。アプリが動かないと使えなくなってしまうわけで、チームが抱えるプレッシャーはこれまでにないレベルで高かったと思います。より高い品質が求められる中、さまざまなステークホルダーと膝を突き合わせながら慎重に開発を推進していきました。