誰もやっていなければ
自分で始めればいい。
日本総研ではそれができる。
インキュベーション部門
  • 若手
  • 女性
  • 理系
K.Minami
所属 : 創発戦略センター 入社 : 2023年

好きな研究を続けることを
諦めたくなかった。

私は幼いうちから「機織り」や「服作り」に興味を持っていた。幼稚園の頃から自分の織った布で作ったポシェットを肩から提げ、クリスマスプレゼントには機織り機をねだった。小学生になるとぬいぐるみの服を作り、高校生にもなると自分の服も縫うようになっていた。自身の部屋は機織り機やミシンでいっぱいだ。大学は理工学部の機械工学科を選択した。もともと服やテキスタイルのデザインより、繊維機械や布、服の作り方に興味があった。衣服が素材から糸を作り、布にして型紙を起こすのと同じように、機械も材料を作り、設計図を描いて組み立てていくもので、自分の関心を叶える進路だと思った。大学での学びに加え、独学だった服作りを体系的に学びたいとダブルスクールで服飾専門学校に1年間通学。尾張一宮や今治などの繊維産地を自主的に訪れ、工場見学もした。学部の3年次には自主研究で導電性繊維を作り、布にしてVRにも使えるウェアラブル端末を作成して国際誌に掲載されたこともあった。修士課程でも引き続き繊維に関わろうとナノファイバーを研究。修了後の進路としては博士課程か就職かを悩んだものの結局どちらの道も諦めがつかず、博士進学との両立を認めてもらえる会社を探すこととした。そんな時に出会ったのが、日本総研だった。

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自分がやりたいことに挑戦できる
創発戦略センターを希望。

日本総研のインターンシップに参加してみると、社員も学生も自分の研究や仕事について生き生きと話す人ばかりで、ここなら私もやっていけるのではと感じた。現場社員から言われた「あなたはこの会社に向いている」との言葉を信じて日本総研を第一志望に考えるようになり、博士課程への進学も認めてもらえたことが決め手となり入社した。
配属については、まず入社直後の新人研修にてコンサルティング部門の各グループや創発戦略センター(インキュベーション部門)のそれぞれが扱うテーマや案件内容などについての説明があり、その後に自分の希望を複数出すことができる。その中に繊維を専門とする組織はなかったが、それなら自分で作ればいいと考え、創発戦略センターに希望を出した。コンサルティング部門でも新しいテーマへのチャレンジはできると分かっていた。しかし、コンサルティング部門はあくまでクライアントを起点とする課題解決を行うのに対し、創発戦略センターでは研究員自らが起点となり課題を設定し、自分自身が旗振り役となって新たな市場創出や事業化を推進することができる。ここなら私がやりたいことをとことん実現できると感じた。
創発戦略センターの役割としてよく言われるのが「ファーストペンギン」だ。まだ誰もやっていないことに最初に飛び込む勇敢な人に敬意を示す言葉で、まずやってみよう、一歩を踏み出す勇気を持とうというマインドを表している。創発戦略センターの社員は私のような新人の提案にも耳を傾けてくれ、さまざまなアドバイスをもらえたり、この人と話してみたらと話をつないでもらえたりするので、自分一人が取り組むテーマでも臆せず、意欲を保ち続けることができる。とにかくこれがやりたい、という思いを持つ人には最高の環境だと言える。

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服育や衣料自給率をキーワードに
衣服への意識を変えていきたい。

就活時の面接から入社後の個別面談まで、機会あるごとに聞かれたのが、あなたは何がしたいのか、どういう能力を身につけたいのか、そのためにどのような案件に入りたいか、ということだった。もちろん自分は繊維をテーマにしたいと考えていたが、具体的に何を研究するか、何をゴールにするかを改めて見つめ直す良い機会になった。日本総研では会社や上司の指示で仕事が決まることが基本的にない。自由な環境と言えば聞こえは良いが、自らのキャリアをしっかり考え、進むべき道を自ら選び取っていく主体的な姿勢が常に求められる。
私が取り組むのは日本の繊維産業の活性化、そしてそのための土壌作りだ。日本の「衣」は近年ファストファッションが主流となっている。低価格で一定の品質を提供するのは素晴らしいが、一方で廃棄物の増加といった課題も生じている。服は多くの人が関わり、さまざまなプロセスを経て作られている。自分も作り手の一人として、服が簡単に捨てられるのは残念でしかない。衣食住は生活の基本と言われる中で、衣があまり重視されていない現状をなんとか変えたいと考えている。例えば服がどのように作られているのかを知ってもらえれば行動も変わっていくのではないか。日本全国の産地で素晴らしい衣服が作られ、海外で高く評価されていることももっと周知したい。そのために取り組みたいと考えているのが「食育」ならぬ「服育」だ。行動変容を促す手段の一つとして、子供に対する教育が挙げられる。自分の着るものがどのように作られるか、どのような価値があるかを伝えていく。もう一つが広く消費者に対し、「衣料自給率」を知ってもらうことだ。食料自給率の低さが日本の課題の一つとも言われるが、食料より衣料の自給率が低いことはあまり知られていない。自分が着るものへの関心を高めることは持続可能な社会づくりにもつながっていくはずだ。今、私はそうした思いを社内に投げかけている段階だ。いつかそれらの活動を実現できるよう、今はサステナビリティに関する案件や、教育に関する案件に取り組み、先輩研究員の背中から多くのことを学んでいる。週末には博士課程での研究もあり仕事との両立は決して楽ではないものの、自分がやりたくてやっていることだから苦ではない。幼いうちから私が親しんできた繊維という産業の未来に向けて、これからも挑戦を続けていきたい。